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平成21年7月15日会長声明

2009年07月22日

消費者委員会委員長の選任手続に関する会長声明

 

 

1 これまでの産業育成に重点を置いた行政から消費者・生活者のための行政に大きく転換をはかるべく,消費者庁関連3法が今国会で可決・成立し,消費者庁と消費者委員会がまもなく発足する運びとなっている。当会は,同法の施行に当たり,消費者庁が消費者問題に対する司令塔機能を,消費者委員会が全省庁に対する監視機能を,それぞれ遺憾なく発揮し,消費者・生活者が安心で安全に暮らせる社会の実現がはかられることを強く期待している。

 
2 特に,消費者委員会は,消費者庁から独立し,第三者機関として消費者行政全般に対する監視機能を持ち,調査・建議・勧告をすることができるという重要な権限が与えられており,同委員会に寄せる期待は極めて大きいものがあるところ,同委員会がその権限を有効に行使できるかどうかは,消費者委員,特に委員長にどのような人物が選ばれるのかが重要な鍵を握っている。

 
3 先般,「政府は,消費者庁の初代長官には前内閣府事務次官の内田俊一氏を起用し,消費者委員会の初代委員長には弁護士の住田裕子氏を充てる方針である」旨の報道がなされた。しかし,消費者庁及び消費者委員会設置法には,「委員会に,委員長を置き,委員の互選により選任する」(同法第12条1項)と定められているのであり,上記報道のとおり,消費者委員長人事が国及び政府主導で路線が敷かれていることになれば,明らかに同設置法の規定を歪める選任手続が進められていると言わざるを得ない。

 
4 消費者委員会は,政府や官僚の意向で動く従来の行政とは決別した真に消費者のための組織運営が期待されているのであるから,その委員長人事には,国や政府,大臣は介入せず,法の規定に則り,各委員の自由な意思に基づく互選により委員長が選任されなければならない。そして,消費者庁関連法案の審議経過,同法附帯決議等の趣旨から,その委員長には,消費者問題に取り組んできた経験豊富な者の中から,消費者・生活者の目線を持った者が選任されるべきである。

 
5 当会は,消費者委員会において,上記のような適正な委員長選任手続きが実施できるよう,政府に対し,以下の各事項を要求する。
   
(1)消費者委員会の初代委員長の人事について,具体的な候補者を選定しているのが事実であれば,そのような政府案を直ちに撤回すること。
(2)消費者委員会及びその参与会の議事を全て公開し,市民や報道機関の傍聴を認めること。

 

2009(平成21)年7月15日

                            仙 台 弁 護 士 会   
                                                    会 長   我 妻   崇

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