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 犯罪被害者等参加制度関連法成立に対する会長声明


  去る6月20日、犯罪被害者および遺族(以下「犯罪被害者等」という。)の刑事手続参加制度の新設と損害賠償命令制度を含む「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律」が成立した。
 犯罪被害者等が刑事裁判手続に当事者として直接参加する制度は、現行の刑事訴訟の本質的な構造である検察官と被告人・弁護人との二当事者の構造を根底から変容させ、法廷を復讐の場に逆行させる大きな危険を孕むものである。
 また、損害賠償命令制度には、刑事事件と民事事件には、立証責任の所在などの点で重要な相違点があるにもかかわらず、刑事裁判と同一の裁判官が基本的には刑事訴訟記録に基づいて民事損害賠償の判断を行なうという重大な問題点がある。
 それゆえ、当会は、これまで両制度に強く反対してきたものであり、にもかかわらずこの法律が成立したことは、極めて遺憾である。
 この法律に重大な問題点があることは、参議院法務委員会での附帯決議が、@当事者主義の理念を前提とすること、A過度の報復感情や重罰化を招かないこと、B被告人の権利の適切な保障などに配意した公正かつ適正な運営、C実施時期が近接する裁判員制度において特に被害者参加人による量刑に係る意見については裁判員が被害者参加制度の趣旨を十分に理解することができるよう配意することを、政府及び最高裁判所に対して求めていることからも明らかである。
 当会は、本年2月の定期総会で反対の決議を行い、また、衆議院通過の際にも反対の声明を発表したところであるが、あらためて、今回の犯罪被害者等参加制度関連法の成立を受け、被告人に憲法上保障された権利の実現のために、上記附帯決議が指摘する運用の徹底と制度の問題点の不断の見直しを求めていく決意である。

   
2007(平成19)年6月29日    
仙台弁護士会  会 長  角  山   正